尿路感染症
尿路感染症とは、尿の通り道である「尿道・膀胱・尿管・腎臓」に細菌が侵入し、炎症を起こす病気です。
女性や高齢者、小児に多く見られる感染症で、早期発見・早期治療が大切です。
当院では、迅速な尿検査・血液検査、必要に応じた抗菌薬治療、生活面の指導まで総合的な診療を行っています。
「排尿時に痛い」「頻繁にトイレに行く」「発熱がある」など、気になる症状がある方は、お早めにご相談ください。
尿路感染症の症状について
尿路感染症の症状は、感染が起きている部位によって異なります。
1. 膀胱炎(ぼうこうえん)
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排尿時の痛み(しみる感じ)
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残尿感
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頻尿
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尿のにごりや悪臭
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下腹部の不快感
※発熱はあまりみられません。女性に多く、特に性行為や疲労、冷え、ストレス後に起こることが多いです。
2. 腎盂腎炎(じんうじんえん)
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高熱(38~40度)
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背中・腰の痛み(片側の腎臓の位置)
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寒気や吐き気
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全身のだるさ
※重症化すると入院が必要になることもあり、注意が必要です。
3. 前立腺炎(男性)
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排尿困難
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尿が出にくい・出終わらない
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会陰部(陰のうと肛門の間)の痛み
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発熱や悪寒
※男性特有の尿路感染で、中高年の方や排尿障害のある方に多く見られます。
尿路感染症の原因について
尿路感染症の多くは、腸内にいる「大腸菌」などの細菌が尿道から侵入し、膀胱や腎臓まで感染を起こすことが原因です。
主な原因・誘因
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トイレを我慢する習慣
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水分不足
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不衛生な性行為
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ストレスや疲労
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免疫力の低下(糖尿病、加齢など)
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尿の流れが悪い状態(前立腺肥大、膀胱留置カテーテル)
女性は尿道が短いため、細菌が膀胱まで到達しやすく、感染しやすい体の構造をしています。
また、高齢者や小児では「熱しか出ない」など典型的でない症状を呈することもあるため、注意深く診察・検査を行うことが必要です。
尿路感染症の検査と診断
当院では、以下の検査で正確な診断を行います。
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尿検査(尿沈渣、尿培養):白血球、細菌の有無、尿蛋白・潜血など
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血液検査:炎症反応(CRP)、白血球数、腎機能
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腹部エコー:腎臓・膀胱の形態、結石の有無など
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レントゲンやCT検査:必要に応じて提携病院で実施
特に発熱や背部痛がある場合は、腎盂腎炎の可能性もあるため、早めの受診が重要です。
尿路感染症の治療法について
尿路感染症の治療は、原因菌に対する抗菌薬の使用が基本です。
1. 軽症(膀胱炎など)
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抗菌薬の内服(通常3〜5日程度)
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水分摂取の促進(1日1.5〜2リットルを目安に)
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安静と保温
※尿培養の結果で、必要に応じて薬の変更を行います。
2. 中等症〜重症(腎盂腎炎、男性の前立腺炎など)
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点滴による抗菌薬治療
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高熱・全身状態が不良な場合は入院治療を検討
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背部痛や嘔吐がある場合は特に早急な対応が必要
3. 再発を繰り返す方への対応
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原因精査(エコー、残尿測定など)
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長期の低用量抗菌薬(予防内服)
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生活習慣の見直し指導(トイレの我慢、水分摂取)
当院では、患者さんの生活状況や年齢に合わせて、最適な治療と再発予防のアドバイスを行っています。
尿路感染症についてのよくある質問
Q1. 抗生剤は途中でやめても大丈夫ですか?
A1. 症状がよくなっても、副作用がなければ、医師の指示された期間は必ず飲み切ってください。途中でやめると再発や耐性菌の原因になります。
Q2. 生理中に膀胱炎になりました。受診できますか?
A2. はい、問題ありません。検査方法を工夫しますので安心して受診してください。
Q3. 膀胱炎を何度も繰り返してしまいます。なぜですか?
A3. 原因として、生活習慣や排尿障害、膣や腸内環境の乱れなどが考えられます。検査や予防的治療を行いながら改善を目指しましょう。
Q4. 子どもが高熱だけ出ています。尿路感染の可能性はありますか?
A4. はい、小児では発熱のみが症状のことも多く、尿路感染症が疑われます。尿検査で確認できますので、お早めに受診ください。
院長より
尿路感染症は、適切な治療をすれば多くの場合は数日で改善しますが、放っておくと腎臓にダメージを与えることもある病気です。
特に女性や高齢者、子どもは症状がわかりにくいこともありますので、違和感を感じたら早めにご相談ください。
とまこまい西インター内科・消化器内科・小児科クリニックでは、尿路感染症に幅広く対応しております。
お仕事帰りや学校帰りでも気軽に立ち寄れる体制を整えておりますので、安心してご来院ください。